N3文法 〜に対して/反面/一方で
N3文法 〜に対して/反面/一方で
Aに対してB:AとちがってB
A反面B:Aと反対にB
A一方でB:AとちがってB
よく似てますね。2つの動詞を並べるあたり、N4の「ながら」を相まって、違いを求める学生に聞かれがちです。
比較①
◯私は何でも食べるのに対して妹は好き嫌いが多い。
◯私は何でも食べる反面妹は好き嫌いが多い。
◯私は何でも食べる一方で妹は好き嫌いが多い。
→どれも違和感はありませんね。やや「一方で」に違うニュアンスを感じます。
比較②
×日本語を教えるに対してヒンディー語を習っている。
△日本語を教える反面ヒンディー語を習っている。
◯日本語を教える一方でヒンディー語を習っている。
→対しては違和感があります。「反面」は違和感はというよりは、少し強い表現に感じます。
比較③
◯彼女がピニアストであるのに対して彼女の姉は画家だ。
×彼女がピニアストである反面彼女の姉は画家だ。
◯彼女がピニアストである一方で彼女の姉は画家だ。
→「反面」には違和感があります。
比較④
×彼の気持ちを信じているのに対して疑ってしまう時もある。
◯彼の気持ちを信じている反面疑ってしまう時もある。
◯彼の気持ちを信じている一方で疑ってしまう時もある。
→「対して」は違和感があります。「反面」「一方で」は違和感はありませんが、文から受ける印象が違います。
比べてみると、
「に対して」は「Aと同じではなくB」。AとBが反対のものであってもそうでなくても使うことができます。
ですが比較④のように「同時に」という意味を含む文に使うと違和感があります。
「反面」は、「Aとは反対にB」。これはものの性質や人の行為が前件後件で反対になるときに使います。ですから比較③のように反対ではなく「ただ違い」を述べる文に使うと違和感があります。
「一方で」は、「AとBが同時に成立している」。同時に行為・感情・事実が並列している、という文になります。
同時に、ということでN4の「食べながら勉強する」と混在しやすいですが、「ながら」は「同時に2つの動作をする」。これは置き換えできません。ですが「働きながら大学に通う」の場合は置き換えが可能です。
比較④の場合、信じている・反面/一方で・疑っている。これはどちらも成立しますが、少し受ける印象が変わります。
・信じている反面疑ってしまう。
→ほぼ同程度信じると疑うが存在する。
・信じている一方で疑ってしまう。
→基本的に信じているが、たまに疑ってしまう。
教科書によってはこの3文型が立て続けに書かれており混乱しそうですね。
ですから、違いを求めがちな学生には「よく似ているよね、チェンジできる文もあるし、どちらも成立する文もあります。」と似ている部分は似ていると言ってしまいましょう。