にほんご ちゃん

先生は違いを求められがち

N2文法 〜はともかく/〜はさておき

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N2文法 〜はともかく/〜はさておき

 

AはともかくB:Aは今は考えないでB(強調)

AはさておきB:Aは今は話題から外してB(優先)

 

正直なところ、日本人としてそこまで明確な使い分けはないけど結構使っているこの文型。

まぁよくわかりません。

ともかく=強調/さておき=優先と書いてありますが、そもそも強調と優先って鶏ー卵関係のようなもので、はっきりわかりません。教科書によっては続けて登場するので学生が混乱します。

一生懸命勉強する学生ほど、違いを求めがちです。 

 

比較❶

○年齢はさておき彼女のフットワークの軽さは若者並だ。

○年齢はともかく彼女のフットワークの軽さは若者並だ。

→どちらも違和感ありません。ごくごく少し、受ける印象がちがいます。

 

比較❷

○海外で生活する機会があるかはさておき、英語力は身につけておいたほうがいい。

○海外で生活する機会があるかはともかく、英語力は身につけておいたほうがいい。

 →どちらも違和感はありません。ごくごく少し、受ける印象がちがいます。

 

 

比較❸

○冗談はさておき、今後のことを決めておこう。

○冗談はともかく、今後のことを決めておこう。

→強いていえば、「はさておき」のほうがよく使うような…。

 

まとめると、この文型はとても似ていてチェンジがOK

「〜はともかく」は「Aは考えずに、言いたいことはB」という意味。

もうちょっと補足で広げてみると「Aについてはちょっと考えるのやめよう、考えると後件Bの評価が変わるから。総合評価ではなく、単体評価で言いたいことはB」。

評価がかわる要素を排除して、言いたいことを述べる文法です。

 

「〜はさておき」は『比べてわかる日本語表現文型辞典』によると大まかに二つの使い方があります。

ひとつは「〜はともかく」とほとんど同じように「Aについては考えずにB」の意味。これは置き換えが可能です。

もうひとつは「今の話題Aをやめて、B」。

この話題を変える使い方は「〜はともかく」にはありません。

 

 

比較❸をもう少し見てみましょう。 

冗談はさておき、今後のことを決めておこう。

冗談はともかく、今後のことを決めておこう。

これは「冗談・前置き・文句・挨拶」など、話を本題に切り替えるときに使うことが多いです。ですから、ここで「〜はともかく」を使うと少しですが違和感を感じます。

 

 

ですが先に述べたように、この2つに厳密なちがいはないと言っていいでしょうし、その違いを問う問題はありません。 

ちがいを求めがちな学生に聞かれたら、

「2つともとてもよく似ていてチェンジができます。

冗談はさておき、やなんかは今のトピックをチェンジするときに言うイディオムみたいなもの。」とまとめるといいかもしれません。