N2文法 〜をとわず/〜にかかわらず
N2文法 〜をとわず/〜にかかわらず
AをとわずB :Aかどうかは問題ではなくB
AにかかわらずB:Aには関係なくB
とわず=問わず(不問)、かかわらず=関わらず(無関係)は漢字から推察できるんですが、上記説明や例文をみているとなんだか違いがよくわかりません。
比べてみましょう。
比較①
◯この試験は国籍をとわずだれでも受けることができる。
△この試験は国籍にかかわらずだれでも受けることができる。
→「にかかわらず」に少し違和感を感じます。でもまぁ、言うんじゃない?と流してしまいそうです。
比較②
×購入金額をとわず送料は一律800円となっております。
◯購入金額にかかわらず送料は一律800円となっております。
→ここで「をとわず」を使うと違和感を感じます
比較③
◯ヨガは年齢をとわずだれでも楽しむことができる。
◯ヨガは年齢にかかわらずだれでも楽しむことができる。
→どちらも違和感ありません。
比べてみると、
「をとわず」は「Aがどんな場合でもB、Aがなんでもあっても同じようにB」と言いたいときに使います。
また、「をとわず」はAに選択肢が明確な名詞がくることが多いです。性別(男・女)、天気(晴・曇・雨)、国籍(日本・アメリカ・トルコetc)、有無(あり・なし)。
比較②のように「購入金額をとわず」と明確な選択肢を提示しにくい語を使うと違和感があります。
「にかかわらず」は、「Aには関係なくBはいつでも成立する」、また言いたいことは後件B。
「にかかわらず」はAの名詞について、選択肢が明確で無いものも使うことができます。距離(0〜♾)、金額(¥0〜♾)、大きさ(高さ?幅?奥行き?)など。
そして明確なものにも使うことができるので、この2つは比較③のように場合によっては置き換えが可能です。
追加として、比較④
×実際に受ける受けないをとわず、申し込みはしておいたほうがいい。
○実際に受ける受けないにかかわらず、申し込みはしておいたほうがいい。
↑のように「VじVない」(行く行かない・読む読まない・泳げる泳げない)を言う場合は「にかかわらず」を使います。
意味がよく似ていて置き換え可能な場合もあるので、違いを求めがちな学生には、
「意味はよく似てるね。〜をとわず、はoption(選択肢)がクリアなもの、〜にかかわらず、は両方とVじVない。」と、意味の細かいニュアンス的な違いより、使う際のそれぞれの制限を明確にしてあげるといいかもしれません。