にほんご ちゃん

先生は違いを求められがち

N3 文法 〜に対して(対象)

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N3文法 〜に対して

 

N3で勉強する「〜に対して」。

比較の文型(私はなんでも食べるのに対して妹は好き嫌いが多い)はわかりやすいが、この行為・態度の対象の文型はかなりわかりにくいですね。

多くの本や解説でさらって「行為・態度・感情の向かう対象」を書いていますが、私たち日本人にはわかっても学生には????になりがちです。

 

さらに対象を「〜に」に置き換えることができるので、この文型を使うことができないものまで「に対して」を使ってしまい、学生を混乱させます。

 

説明を重ねれば重ねるほど、学生が混乱する文型です。

 

こんな感じでやってみました。

 

例文①

私は怒っています。 →だれに?    ◯◯さんに。

          →なにに?    govermentに。

          →なにに?    pollutionに。

 

私は〇〇さん怒っています。 →私は〇〇さんに対して怒っています。

私はgovernment怒っています。→私はgovernmentに対して怒っています。

私はpollution怒っています。 →私はpollitionに対して怒っています。

 

例文②

私は要求します。  →だれに?    社長に。

          →なにに?    市役所に。

 

私は社長に要求します。     →私は社長に対して要求します。

私は市役所要求します。    →私は市役所に対して要求します。

 

例文③

感謝します。    →だれに?    お世話になった先生に。

          →なにに?    日本の教育に。

          →なにに?    神様に。

お世話になった先生感謝します。→お世話になった先生に対して感謝します。

日本の教育感謝します。    →日本の教育に対して感謝します。

神様感謝します。       →神様に対して感謝します。

 

 この文型「〜に対して」は向かう先(相手)を示す「に」にチェンジできます。

ですが注意が必要です。

①行為(action):求める・質問する・反対する・賛成する・述べる など

②感情(feeling):怒る・感謝する など

③態度(atitude):きびしい・やさしい・言葉遣い など

 

①の行為の場合、二格をとるすべての動詞で使えるのはありません。

(OKな動詞、使うと違和感がある動詞を並べたらおおよその学生は感覚で掴んでくれるかと……。)

ありがちな誤用で、あげます・あいさつしますなどの対象の「に」まで「に対して」に変えてしまう誤用があります。

 ×妹にたいして本をあげます  ◯妹に本をあげます。

この文型は相手というより、話者(主語)のパワーの向かう先と考えるといいですね。