N2文法 〜というわけではない/〜というものではない
N2文法
A(という)わけではない:100%Aではない。
※接続:普通形(なA=だーな/名=だーな・ーの・ーである)
Aというものではない:必ずAではない。 普通形+というものではない
「どちらも100%Aではない、ですね?なにがちがいますか?」と学生の質問。
比較①
◯ビザがあれば日本へいけるというわけではない
△ビザがあれば日本へいけるというものではない
→「ものではない」は違和感があります
比較②
◯甘いものが嫌いなわけではないけど、自分から頼むことはない
✖️甘いものが嫌いというものではないけど、自分から頼むことはない
→「ものではない」は違和感あります
比較③
◯資格をとれば教えられるというわけではない
◯資格をとれば教えられるというものではない
→違和感はありませんけど、同じではありません。
比べてみると、
「〜わけではない」は(だれ/いつ/どこ/なん)でも相性が良く、具体的な部分否定。
「〜というものではない」は前件に仮定「〜ば」を置きやすく、教訓めいたことや話し手の心情的な主張に使う。具体的な事柄には使いません。
比較③の例文で考えてみると、
資格をとれば教えられるというわけではない
→場所や生徒、教材など具体的に必要なものを言う
資格をとれば教えられるというものではない
→準備や自分の学びなど信条のようなものを言う。
この授業、「教訓」という語彙が学生になかったので「人生や仕事の勉強」と少し遠回りをしました。
「今私は日本語の勉強を教えています。文法・語彙…。人生の勉強は、例えば『努力すると、必ず自分に戻ってくる』とか『嘘をつくのは心が弱い人がすることだ』とか。これは日本語じゃないですね、でも勉強です」など簡単な教訓めいたことを提示して進めました。