にほんご ちゃん

先生は違いを求められがち

N2文法 〜たとたんに/〜かと思うと

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N2文法

AたとたんにB:Aした直後にB Vた+とたん

Aかと思うとB:AのあとすぐB Vた+かと思うと

 

「どちらもAのすぐあとですね?なにがちがいますか?」と学生の質問。

 

どちらも似ていますね。接続も同じです。

 

比較①

◯母の声を聞いたとたん、涙があふれた

△母の声を聞いたかと思うと、涙があふれた

→違和感があります。

 

比較②

✖︎ほめられたとたんに怒られた

◯ほめられたかと思うと怒られた。

→ほめられたとたんは、ちょっとおかしいですね。

 

比較③

◯彼はふとんに入ったとたんに寝てしまった

◯彼はふとんに入ったかと思うと寝てしまった。

→どちらもおかしくないです

 

これは「Aかと思うとB」「AたとたんにB」がそれぞれ2パターンの「すぐに」を持っていることがややこしくさせる原因でした。

 

AたとたんにB

①ワインを飲んだとたんに、めまいがした

→ワインを飲んで数秒でめまい。ワインを飲んだため。

②家を出たとたんに、雨が降っできた

→家を出て数秒(か数分)で雨。家を出た、は雨には関係ない。

どちらも正しく使うことができます。

が、①の場合めまいはワインがキッカケです。②の場合、出かけるは雨のきっかけではありません。

 

Aかと思うとB

①彼はうちに入ったかと思うと、すべての鍵を閉めた。

→入って数秒(か数分)で鍵。入ってすぐ次。

②子供は泣いたかと思うと、すぐに笑って走り出す。

→泣いて数秒(か数分)でダッシュ泣くと笑うは反対。

どちらも正しく使うことができます。

が、②は前件後件が真逆です。なおかつ若干のタイムラグを許します。これは極端な変化が起きた時に使う表現です。

 

まとめると、「AたとたんにB」の②と「Aかと思うとB」は置き換え可能です。

ただし、教科書にあるとおり「かと思うと」には制限があり自分の話には使いません。

ですから、

◯彼はうちに入ったとたんにすべての鍵を閉めた。

◯彼はうちに入ったかと思うとすべての鍵を閉めた。

 

◯ワインを飲んだとたんに、めまいがした。

✖︎ワインを飲んだかと思うと、めまいがした。

 

 

となります。

ちょっとややこしいですね。どちらの文型も「AのあとすぐB」ですが、「たとたんに」はAがキッカケになること、「かと思うと」は自分の話には使えない・真逆の変化、と制限をクリアするとごくたまにチェンジが可能です。