にほんご ちゃん

先生は違いを求められがち

N2文法 〜ばかりか/〜上に

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N2文法

AばかりかB:Aだけでなく、さらにB

A上にB  :Aだけでなく、さらにB

 

ちがいは何ですか?学生からの質問です。

 

色々調べると「ばかりか、は程度を言います。上に、は最低か最高」という解説が出てきましたが、いまいちわかりません。

 

例文から考えます。

 

比較①

◯送ってもらったばかりか プレゼントももらった

◯送ってもらった上に プレゼントももらった

ほとんど同じです。どちらも違和感はありません。

 

比較②

◯遅刻してきたばかりか 教科書も忘れた

◯遅刻してきた上に 教科書も忘れた

これも同じです。違和感ありません。

 

比較③

△彼は優しいばかりか みなに公平だ

◯彼は優しい上に みなに公平だ

→「ばかりか」に少し違和感があります。

 

比較④

✖️このりんごは大きいばかりか とても安い

◯このりんごは大きいうえに とても安い。

→「ばかりか」を使うととてもおかしい文になります。

 

ここまで比較してみると以下のことがわかります。

 

◇「上に」「ばかりか」はほとんど同じ意味。入れ替え可能な場合も多い。

◇ が、比べてみると「ばかりか」の文には何らかの感情(驚き・怒り・幸せ など)が伴っており、感情のない状態形容詞の場合に使うと違和感がある。比較③の様に感情形容詞と状態形容詞を混在させて使うとやはり違和感がある。

 

この2つの文法の違いを問う問題はJLPTには出ないでしょう。ですが、N2レベルの学生はその違いをつぶさに聞いてきます。

まずは「同じ意味!」と伝えること、そして「ばかりか」には感情が必要だよ、と添えてあげるといいのではないでしょうか。