にほんご ちゃん

先生は違いを求められがち

N2文法 〜あげく/〜末に

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N2文法

AあげくB:苦労してAしたのに、最後は残念にもB

 

A末にB :時間をかけてAしたけど最後はB

  

新完全マスターでは続けて出てくる文法なので、少し学生が混乱しました。

  

比較①

◯散々迷ったあげく、なにも買わずに帰った

○散々迷った末、なにも買わずに帰った

→どちらも違和感ありません

 

比較②

○4ヶ月も船便を待ったあげく、税金を払わなければならないことになった。

△4ヶ月も船便を待った末に、税金を払わなければならいことになった。

→違和感はありませんが「あげく」のほうがしっくりきます。

 

比較③

△いろいろな仕事をしたあげく、日本語の先生になった。

◯いろいろな仕事をした末、日本語の先生になった。

→どちらもおかしくないですが、文から受ける印象が違いますね。

 

 

比べてみると、 

「〜あげく」は

Aで大変な思い・たくさんの手間をかけた のに 残念な結果(B)になった。という文法です。長い時間や手間を表す(さんざん/いろいろ/たくさん)などと仲がいいです。

 

 「〜末(に)」は
A大変な思い・たくさんの手間や時間をかけたあと最後にBという結果になった。という文法です。「〜あげくに」とちがって残念な結果が必要というわけではありません。同じように長い時間や手間を表す(さんざん/いろいろ/たくさん)と仲がいいです。

 

どちらも結果を表現する文法です。

いろいろな仕事をしたあげく、日本語の先生になった。

→たくさんの種類の仕事をしたあと、本当はなりたくなかったけど日本語の先生になった。

いろいろな仕事をした末、日本語の先生になった。

→最後は日本語の先生に納まりました。

 

あげく→末に、の置き換えは可能です。

が、末に→あげく、の置き換えは元々の文にはない「残念」や「不本意」というネガティヴな感情を足してしまうので文の意味が変わってしまいます。

 

上級文法は置き換え可能なものが多いですが、感情が変わってしまうものは注意が必要です。